官事務所の窓

2月26日

毎日オリンピックを見ているわけではないが、今日は見た。周囲のプレッシャーをどう跳ね除けるのか、女子フィギュアの日本選手は3人とも見事だった。キム・ヨナの完璧な滑りも素晴らしかったが、浅田真央も実力を発揮したと言っていい。ミスをしても最後まで自分の滑りをして高度な技は全部成功させたのだ。それでも成功した部分と、力を十分に発揮できなかった部分をしっかりと己に刻み付けている。滑走直後のインタビューは本人には酷だったと思うが、涙を滲ませながら一人自分と向き合っている姿は印象的だった。

表彰台に向かうため観客に向ける笑顔はもういつものものだ。これまで幾度そうして乗り越えてきたのだろう。悔しさも彼女なら全部自分の糧としていくに違いない。日の丸をまとった彼女が野生の丹頂鶴のように優雅に気高く見えた。